PHOTOGRAPHER
MAYUKO
UKAWA
『 Rhapsody in Blue 』
空港からタクシーでマンハッタンに向う道。
遠くに見えていたビル群が近づいてくる。次第に私のテンションも上がる。
橋を渡る時が一番好きだ。夕暮れならなおさらいい。
旅行者であるにもかかわらず、ずっと前からここで暮らしているような錯覚に陥る。
懐かしいというのとはちょっと違う。
NYは何というか、自分の居場所がすでにあるような気にさせてくれる、そんな街なのだ。
地下鉄に乗ればどこの国だかわからないくらい様々な人種がいて、様々な言語が飛び交っていて。
お洒落をして街を歩けば知らない人が通りすがりに褒めてくれる。
良いことも悪いこともストレートに伝わってくる、そんな刺激がたまらない。
季節によってまるで違う場所のように見える街の表情も好きだ。
夏のNYには色彩があふれ、陽気な人々が行き交い賑わっている。
かと思えば冬の、シンと静まり返った街には人もまばらだ。
晴れているかと思うと雪になり、またすぐ晴れる
....そんな風にころころ変わる天候に翻弄される様子も興味深い。
高層ビルの合間から少しの間だけ差す光がとても美しかった。
大都会であるはずのこの街は、決してドライなだけでもクールなだけでもない。
うまく表現できないけれど、不思議なコントラストがあると思う。
街は人でできていると思っていたけど、まるで街そのものが生きているようだ。